老後資金は2000万円必要らしい

本日の産経新聞に「金融庁、3世代での資産形成を促す」というタイトルの記事が掲載されています。そこには老後資金として2000万円の貯蓄が必要と書かれています。その為に、現役世代は資産形成の重要性、必要性を認識し、早い段階から資産形成を行うために、アドバイザーを見つけましょうと言った内容が書かれています。

そもそも、2000万円というのは、少なくとも私がその他の文献などで目にする金額と比べると少ない気がしますが、公務員を例にとれば2000万円という金額は退職金だけで十分に賄える金額です。一方で我々のような自営業者や起業家には退職金などありません。また中小企業に勤務しているサラリーマンで2000万円もの退職金が支給される方はどれほどいることでしょうか。少なくとも私は公務員や上場会社以外のサラリーマンで2000万円以上の退職金をもらった方を知りません。

この手の記事を読むたびに全くの他人事な気がして仕方ありません。早くから貯金を始めましょうって出来るなら誰でもします。出来ないから困っているのです。

今回2000万円を老後資金の最低ラインとして公式に認めるのであれば、2000万円までの貯蓄を促すような制度を設計すべきだと思います。ここ最近idecoが流行っていますが、確かに掛金が全額所得控除になるという意味では大変ありがたい制度ですし、私も多くの方々に説明をし、加入を進めてきました。しかし、中小企業のサラリーマンであれば掛金は月額23000円が上限です。仮に23000円ずつ掛け続けて2000万円を貯めるためには870か月必要になります。つまり72年です。全く現実的ではありません。

個人的な要望ですがi現状のidecoの月額上限は撤廃すべきだと思っています。その代わり、総額での上限を設けるべきです。2000万円あれば最低限の生活水準は保てると国が認識しているのであれば、2000万円までは非課税で貯蓄を促すべきだと思います。若い世代でまだ未婚で実家暮らしなどであれば、給料は安くとも貯金に回せる金額はそれなりにあるはずです。20代30代のうちに2000万円の老後資金を貯めておければどれほどその後の生活にゆとりが出来ることか。

政府は不安をあおるだけでなく、具体的な政策として提言してもらいたいと思います。