会社設立手続きが簡素化される?

会社設立手続きが簡素化されるという内容の記事が新聞に掲載されていました。

内容を要約すると、日本での会社設立は諸外国に比べて手続きがややこしく、複雑すぎるため、起業を阻害しているという。その為、今後は申請者が名前や住所などをインターネット上で入力するだけで、クラウド業者が各官庁にオンラインで代理申請してくれるというもののようです。

政府、起業の申請手続きを一本化 サーバーを扱うクラウド業者を活用 産経新聞 5/23(火)
政府、起業の申請手続きを一本化 サーバーを扱うクラウド業者を活用 産経新聞 5/23(火)

この図を見ると、どうやら会社設立手続きと設立後の届出手続きがごちゃごちゃになっているようで、記事の内容が不正確であることがわかります。

ただ、もしこのような設立からその後の各官庁への届出までがワンストップで自動送信されることになれば、政府としては情報の一元管理という意味では十分な意義がありそうです。

一方でそもそもこのような制度設計を各資格団体が認めるとも思えません。

会社の設立にあたり公証人役場への定款の提出は行政書士の仕事です。税務署や税事務所への書類の提出は税理士、労働基準監督署への書類の提出は社会保険労務士、法務局は司法書士と職域が分かれており、現在でも税理士が社労士の職域を犯しているといった議論が止まない状況にあるにも関わらず、民間のしかも専門家ですらない業者にこれまで資格保有者が行ってきた業務を委託するというのですから、相当な反発が予想されます。

実現するのかは定かではありませんが本年度中に結論を出すようですので、新たな情報が入りましたらお知らせします。