個人年金のススメ

今年ももう年末が近づいてまいりました。年が明ければ、個人事業者の方は確定申告、会社を設立されている方は年末調整を行わなければなりません。

このホームページでは起業支援を行っているため、今年、法人なりをして起業された方も多いのではないかと思います。その方は、会社で年末調整を行い、個人事業としても所得と合算して確定申告も行う必要があります。

さて、年末調整、確定申告となると節税対策が気になるところですが、当事務所でも大きな所得が出そうな方にはあらかじめ、各種共済制度や生命保険、最近では確定拠出年金制度などを利用した節税対策を案内しています。これだけで通常は十分な節税効果が発揮できるのですが、もう一歩節税したいという方には、こまごまとした節税を案内していますが、その一つが個人年金への加入です。

なぜ節税になるかと言いますと、所得税の所得控除の一つに個人年金保険料控除というものがあるためです。

国税庁のホームページより抜粋した現在の個人年金の控除額は以下のようになります。

 

年間の支払保険料等 控除額
20,000円以下 支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下 支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下 支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超 一律40,000円

 

8万円以上の保険料を支払うと4万円を所得控除として課税所得の計算から差し引いてもらえます。例えば所得税率が20%の方であれば8000円の所得税の節税になります。

では控除額の最高額を使うために8万円以上支払うほうが良いのかというと、個人的にはそうは思いません。

仮に年間8万円の個人年金を支払うと控除額は4万円なので控除率は50%になります。

仮に年間6万円の個人年金を支払うと控除額は35000円になり控除率は58%になります。

次に4万円の個人年金保険料を支払うと控除率は3万円になり控除率は75%になります。

2万円の個人年金であれば控除率は100%です。すなわち支払った金額が全額控除の対象になります。

このように控除率でみると、保険料は少ないほど、支払金額に対する節税効果は大きくなります。

各種節税対策を行い、もう一歩節税をしようかなと思うのであれば、少額の個人年金に加入しておくのも悪くはないかと思います。

よく高額な個人年金に加入されている方を見ますが、節税対策という意味ではもったいないなあとよく思います。