2015年

12月

15日

インボイスの導入が決定したようです。

自民党、公明党で協議した平成29年4月の消費税率10%引き上げ時に導入する軽減税率に関する合意文書「軽減税率制度についての大枠」が公表されました。その中に「平成33年4月にインボイス制度を導入する。それまでの間は、簡素な方法とする。」という旨の規定が折り込まれています。

簡素な方法というのは今まで通り、市販の領収書などでもOKだけど、軽減税率が適用されているものについては印をつけるなどの方法で、軽減税率適用商品であることを明示するということになると思います。

さて、インボイスの導入ですが、公表されている内容によると、免税事業者は発行できないということになりそうです。つまり、現在の制度の上にこのインボイスなるものが導入されると、設立直後の会社は免税事業者に多く、インボイスは発行させてもらえないということになります。

そんな面倒なもの発行しなくて済むのであれば手間が省けて良かったと思わないでください。

インボイスが発行できないということは、取引の相手側からすると、消費税の仕入れ税額控除を受けられないということです。すなわち、免税事業者からサービスを購入すると、相手先は納める消費税が増えるため、どうせ同じようなものを購入するなら課税事業者から購入するようになります。

また、免税事業者であっても消費税は上乗せして請求することを公正取引委員会が求めていることからも、同じ価格であれば、間違いなく課税事業者との取引を選択するでしょう。

 

さらに、ビジネスを行うにあたり、自社が免税事業者であることを取引相手の公表することになりますので、税金の問題だけにとどまらない、ビジネス上、大きな支障をきたすことが考えられます。例えば、取引を行うまでは当然、仕入れ税額控除が可能だと思っていたが、いざ、お金を支払う段になって、免税事業者だと分かった場合、取引は中止できるのでしょうか。金額の大きな商品などであれば購入する側にとって、仕入れ税額控除の有無は大きな問題になります。その場合、どちらが法的な責任を負わされるのでしょうか。

 

ともかく、新規に設立した会社が新しく取引先を開拓していく上で、大問題になりかねません。

 

明らかに、軽減税率に関する議論は、来年の国政選挙向けの表面的なアピールに終始しており、財源の問題、事業者への悪影響、などなど全く解決策を明示しないまま進んでいます。軽減税率を採用すれば富裕層への減税が最も大きくなります。この減税分は多分、今後、配偶者控除の見直し、第3被保険者の廃止、酒税の改正などでカバーされるでしょう。これらの廃止は、まさに公明等が軽減税率の議論で保護すべきと盛んに主張する低所得者層を直撃することになります。

酒税の改正ではビール、発泡酒、第3のビールの税率を統一することになります。すなわち、ビールは値下げし、発泡酒、第3のビールは値上がります。私どももそうですが、発泡酒などは安いから買っています。値段が安くなければわざわざ発泡酒や第3のビールなど買いません。たま企業側も何とか安くビールを提供しようという発想が根底にあるからこそ、これらの商品が開発されてきた経緯があります。

多くの業界団体や学者が反対しているにもかかわらず、選挙のために結論ありきでことが運んでいることに危機感を感じます。選挙が終われば、これらの増税は一気に採用され、一層庶民の懐を痛めることになります。