2015年

11月

27日

軽減税率の迷走?

消費税の軽減税率の導入の議論が迷走しています。

とうとうプリペードカードの導入という話まで上がってきているようです。当然ですが、こんな制度が未来永劫維持できるとは思われませんが、混迷する議論に決着をつけるため仕方ないのかもしれません。そもそも、なぜこのような複雑な制度を取らなければならないかといえば、公明党が主張するように、「買った時にものが安くないと嫌だ」という発想が根幹にあるからです。

そのため、取引ごとに数十円からせいぜい数百円の還付措置を事業者に強いるという発想になり、その方向で議論が進んでいます。

我々は、一貫して、給付付税額控除の導入を求めていますが、これでは年一回の還付だけしかないから「嫌だ」という子供のような発想を「痛税感」などというもっともらしい言葉で排除されていることが残念で仕方ありません。

結果としてプリペードカードの導入という当初は思いもよらなかった方向に議論を進めることとなりました。機械の導入、毎年のプリペードカードの発行など税を徴収するために、多額の税が流出していく仕組みを作ろうとしていることをよく考えてもらいたい。

痛税感というなら初年度だけ増税に伴う給付金を支給し、翌年度以降は確定申告などで一括して税額控除もしくは給付を行っていけば、制度としては最も簡易な方法になるが、現在のところ全く議論をされている気配はない。

これほど複雑な制度を作ろうとしながらも、簡易な税額計算の方法としてみなし課税の導入を検討していることも納得がいかない。みなし課税というのはその名の通り、適当な割合で税額を計算させる方法のことだが、適当であるがゆえに、益税問題が発生する。議論を詰めている時間的な余裕もないため、取りあえず出来るだけ簡単な計算にしておいて見切り発車したいという意向であろうが、一旦導入したものを数年でやめるというのはいかがなものか。

また現在もある簡易課税制度では、事前に簡易課税を選択するか否かの踏み絵を踏むことを事業者に求めている。結果的に簡易課税の選択が損をする場合もあろうが、救済措置は認めない。同様に軽減措置の導入にあたり採用されるみなし課税でも、事前の選択を求めるのであれば、事業者にとっても精神的な負担は計り知れない。そもそも、簡易課税にしろ、今回議論されているみなし課税にしろ事業者の事務軽減を意図しているに過ぎず、納税額を本来あるべき額よりも多く納付することまで求めるべきではない。このような制度があるために、投資時期を延期するという経営判断は少なくないはずである。


そうであれば、事業年度ごとに選択可能な制度にすべきであり、事前届け出制度は撤廃すべきではないだろうか。