産業競争力強化法

あまりというかほとんど知られていませんが今年の1月20日から産業競争力強化法という法律が施行されています。この法律の目玉は会社の設立時にかかる登録免許税が半額になるということです。この法律では国から認定を受けた市町村が実施主体となって、創業支援を行う事業者に対して証明書を発行し、それを法務局に持参すると、登録免許税を半分にしてもらえるという流れですが、まだほとんど稼働していないのではないかと思います。

大阪市が国から認定を受けた時期は今年の6月になっています。今後、増加はしていくでしょうが、どの程度効果が上がるのかというと現状では非常に悲観的です。

大阪市が国に提出した創業支援事業計画を見ても、いわゆる外郭団体の隠れ補助金のような計画にしか見えません。法律上は起業に関する専門知識を有する民間団体との連携が謳われていますが、計画書に出てくるのは大阪産業創造館や大阪デザイン振興プラザといったお役所が設立した団体ばかりです。現実には我々のような行政書士や税理士、司法書士といった事業者がこれまでも多くの起業家をサポートしてきているにも関わらず、全く蚊帳の外という印象すらあります。

まだほとんど稼働していないと思いますが、民間の専門家への連携を強化すれば大阪ほどの大都市であればいっきに起業件数(会社設立件数)は増えると思います。

この法律の趣旨にのっとり起業者への利便性を重視した政策を取ってもらいたいものです。

 

1条(目的)

この法律は、我が国経済を再興すべく、我が国の産業を中長期にわたる低迷の状態から脱却させ、持続的発展の軌道に乗せるためには、経済社会情勢の変化に対応して、産業競争力を強化することが重要であることに鑑み、産業競争力の強化に関し、基本理念、国及び事業者の責務並びに産業競争力の強化に関する実行計画について定めることにより、産業競争力の強化に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための態勢を整備するとともに、規制の特例措置の整備等及びこれを通じた規制改革を推進し、併せて、産業活動における新陳代謝の活性化を促進するための措置、株式会社産業革新機構に特定事業活動の支援等に関する業務を行わせるための措置及び中小企業の活力の再生を円滑化するための措置を講じ、もって国民生活の向上及び国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。